プロ野球選手の奥さんをクローズアップした番組。
その奥さんが支えているのは永野将司投手。
ロッテマリーンズに2017年にドラフトで入団した投手。
154キロの速球が持ち味の左腕。
ただ彼がアマチュア時代から抱えている病気は”広場恐怖症”(パニック障害の中の症状のひとつ)を抱えている。
今年の3月に公表している。
※広場恐怖症
通常であれば何でもないような状況に対し、過剰な恐怖や不安を持つ「不安症群」の一つ。
恐怖を抱く対象で最も多いのが、すぐに逃げ出すのが難しい場所や状況に置かれたときで、飛行機や高速で移動する新幹線などに乗る際にほぼ毎回恐怖や不安を誘発する。公共交通機関、広い場所、閉所を避けていることが6か月以上、持続している不安障害に含まれる精神障害。
彼にとってもっとも問題なのが、乗り物に乗って移動すること。
「動悸(どうき)がして、飛行機なら外に出られなくなるんじゃないかとか、飛び降りたくなったり、死んでしまうんじゃないかという恐怖心が出てくる」と乗り物に乗れなくなる症状に襲われ、社会人・ホンダでの1年目に診察を受けて病名が分かったとのこと。
プロ野球選手としてスタートしたものの、遠征も日程の約半分を占めており、乗り物に乗ることができない身では非常に制限されてしまう。
今春のキャンプもチームに帯同できなく、悔しい思いをしたと話していた。
今もヴァーチャルリアリティを使った療法などで治療に頑張っている姿が映っていた。
夕食のチキン南蛮をもぐもぐ食べながら見ていた僕。
家族がいる前で仕事の話をすることはあまりないのだけれど
「もったいないな、改善できるのに…」
とつぶやく僕。
きっと見ていて歯がゆかったのだと思う。
「治るのか?」と父。
「ちゃんとケアすればね」と僕。
本人のお話を聞いて、ちゃんと心の中身を診ていないから推測だけど
多分ヴァーチャルリアリティだとうまくいかない。
彼は自分で運転する自家用車では出かけることができていた。(症状なし)
奥さんがいる時の電車は辛さはあるものの、かろうじて乗ることができていた。(症状はやや軽い)
この事から症状が重く出る時と、出ない時の差がちゃんとある。
電車の風景が移るヴァーチャルリアリティだと、その重要な部分の再現まではいかないだろう。
装置をつけている時は、自宅のリビングにいる。
電車で周りにいる人々はそこにはいない。
※どういう時に恐れが強いのか、徹底的に確認していく作業が大事
広場恐怖の恐れのほとんどは
”誰の助けも求められない”
”逃げ出したい”
があるが
その奥には
”もし苦しくなったときの自分をみんながどう見るだろうかという強い緊張を伴う羞恥心(かなり強い恥ずかしさへの抵抗)”がある。
そもそもが助けを求められたら、これは起こらない。
しかし助けを求める事さえもできない。
発作を起こした時の自分の姿を、本人が非常にネガティブな姿でイメージできるだろうし
そんな自分をさらけ出すかもしれないことが何より怖いのだ。
だから結果として避けるように不安がいつも出てくるようになる。
あくまでも推測の域を出ない話だか、ほとんどが当てはまる。
アプローチとしては
・発作が起こった出来事、トラウマの無害化
・この症状が出てくることによって受けたストレスの緩和
・先にも述べた”否定している自分像”への対話や緊張の緩和
・電車や乗り物が自分にとってどういう意味付けがあるのかを深く見ていき、その投影そのものを落とす。
すべてセラピーを使用していく案件。
これでほぼ再発は無くなる。
その話を父に分かりやすく説明。
何を思ったか、父は知人に電話し始めた。
ロッテの1軍コーチを務めている方がそういえば父の知人の息子さんだったけ。
僕の高校の先輩でもある。
でもコネクションはきかなかったみたい。
プロの息子さんへの介入は父親としても避けたいのだとか。
それにしても僕の話を聞いて、何にもお願いもしていないのにすぐに動いてくれた父に感謝。
永野投手にこの気持ちが伝わるといいな。
彼は球界を引っ張っていける投手になれるのだから。
ひとりの野球ファン、兼 セラピストとして